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モルヒネ/安達千夏


2007年 書店発ベストセラーなのだそうな
帯にはうずくまって泣きました。。。とある

どこが?
どこが泣き所なのか、小一時間それを書いたひとを問い詰めたい(苦笑)

不幸な過去を持ち、「死ぬために医学を学んだ」主人公の前に
余命幾許も無いかつての恋人が現れて・・・
というお話なのだけれど

一歩間違えると、チープな恋愛小説になってしまいそうなところを
「尊厳死と安楽死の差」の話しだったり、在宅医療の在り方だったり、
そういう小道具に助けられたような感じ

「医師免許は、死ぬために求めた権力だった。記憶も残さなかった母と、幼い姉の死は、私には早すぎて、遅れて心中するつもりで、成長を待った」という主人公の
「私より先に死んでしまう人は、みんな、大嫌い」 床に向かい叫んだ。椅子にかけたまま前のめりで、両手で膝をつかんで、涙声で、とてもみっともないことはわかっている。
だいっきらい。涙はこらえたのに、それが鼻腔へ降りてくる。天井を振り仰ぐ。だいっきらいなのよ。語尾がしぼむ。
「私はきっと、死んでいった人達を憎んでる」

この辺りは好き
共感は出来ないかもしれないけれど、
置いて行かれる側の、砂を咬むような気持ちはよくわかる

でも、その思いを吐き出せたなら、
貴女は、貴女のこれからの人生を歩いていけるよ、
そう言ってあげることもできるだろう


読み終えて、20年も前に亡くした友人を思い出した
主人公の恋人と同じ病気で

頭の中に、もう手術では取りきれないほどの腫瘍を抱え、
ついには視力を失ってしまった友人を見舞った夏

何を言えばいいだろう、と躊躇いながら病室のドアを開けると
向うから「失明しちゃってね」と明るく声をかけてくれた友人

「っていうことは・・・この先わたしがお婆さんになっても
○○さんだけは若くて美しい私しか知らないのね〜」
「そうそう、感謝してくれなくっちゃあ」

そんな会話で、皆で笑ったけれど

その時病室にいた誰もが知っていた
本人も、家族も、私も

あと1年も存えることはできないだろう、ということ

友人は20代の頃の、若い私しか知らないままで旅立ってしまったけれど
私もまた、最期まで明るかった友人しか知らないままで、
いつか向うへ旅立つのだろう

私は友人を一度でも憎んだことがあっただろうか
いや、そんなことは無い
今までも、これからも

ひとの命への思いは様々なのだもの、と
あらためて思った1冊

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